やわらかテック

興味のあること。業務を通して得られた発見。個人的に試してみたことをアウトプットしています🍵

何気ない一言は人を変えることがある

よく「人を変えることはできない」という意見を耳にします。
この意見に対しては自分も完全同意で、人を変えることへ労力をかけるのであれば、悲しきかな自分を取り巻く環境を変えてしまった方が圧倒的に簡単でコスパが良いです。

しかし、その一方で「人を変えることはできなくても影響を与えることができる」という意見も耳にします。
変えることはできずとも、何か変化のきっかけとなる影響を与えられれば、その後、何かしらの行動によってその人が変わってくるかもしれません。

何気ない一言

僕は今までの人生の中、人へ影響を与えた・与えられたと感じたことが何度かあります。
しかし、それは何か大きな出来事ではなく、いつも何気ない一言でした。
「人を変えたい!影響を与えたい!」なんて全く思っていなかったので、後に「あの一言が....」と教えてくれた時は本当に驚いたものです。 そもそも、僕にとって人に影響を与えようだなんて考えること自体、おこがましいことですし、自分は大した人間ではないので「変わってほしいなぁ...」と思うことはあっても何かが変わるような意識や施策をしながら仕事をしていたわけではないのです。

人は仕組み・施策で何とかならない時もある

よく組織の健康状態を改善するために何かしらの仕組み・施策を作ったりすることがありますが、作ることが目的化してしまっているなと感じることがあります。
何というか「やってる感」があるので、そういった動きになってしまうのかなと思うのですが、重要なのは状態の改善なため仕組み・施策は1つの手段でしかありません。仕組み・手段が何とかしてくれるというのはアプリケーションやアーキテクチャには有効であっても、必ずしも人にはそうではありません。

ダンガンロンパより: 霧切さんの言葉が刺さる

意見を聞くことの本質

仕組み・施策を作ることでカイゼンが期待できるとしましょう。
仕組み・施策を作る過程でメンバーに意見を聞かないというのは個人的には悪手だと思います。人数の問題があるものの、仮に意見を聞かずに仕組み・施策を作ってしまうのであれば「それってあなたの感想ですね」と言われても仕方ありません。

広く意見を取り入れる・フィードバックを受けることも重要なのですが、一番重要なのは仕組み・施策を作っている段階でメンバーに声をかけることで、参加していることを感じてもらえるという点です。

仕組み・施策を作ってもメンバーに響かないのは、作る過程に参加してないからです。当人にとっては所詮、どうでも良いことなんですよね。「なんか変わるらしい」ぐらいの温度感で中立な存在なので、何かアクションをしてくれるわけがありません。

結局、対話が全て

バカらしく感じる方もいるでしょうが、日々の何気ない挨拶だったり、雑談を通して少しずつ長い時間をかけて組織の健康状態は改善されていきます。書籍「心理的安全性の作り方」や「エンジニアリング組織論への招待」でも語られていることですが、特効薬や銀の弾丸は存在せず、長い時間をかけるしかないのです。

www.okb-shelf.work

その対話の中であなたが発した、あなたが受けた「何気ない一言」が何かを変えるきっかけになるのでしょう。

最後に

実は記事の中で、今まで生きてきた中で人に影響を与えた・与えられた何気ない一言を紹介しようかと思ったのですが止めました。ポジティブなものもありますが、当然、ネガティブなものもあるので紹介をしてしまうと、結果的にムカついた出来事を晒すことになってしまうので、引け目を感じます。ただ、1つだけ特に思い出深い一言があるので、これだけ紹介したいと思います。

その一言は僕が高校生の時に所属していた吹奏楽部で、後輩が基礎練習をしている時に発した(らしい)一言です。
なぜ、僕がそのことを知っているのかというと、卒部するときに本人から教えてもらったからです。さすがに時効なので、紹介しても良いでしょう。

基礎練習が苦手な後輩

ある基礎練習が苦手な後輩がいました。正直、他のメンバーと比べて習得にかなり時間がかかっていました。
本人も自分だけ習得が遅れていることを自覚していて、合わせで基礎練習している時に一人だけミスをしてしまったりと、焦りを感じていたようです。

ある日、他のメンバーが曲練習や別の基礎練習をしているにも関わらず、その後輩だけは同じ基礎練習を毎日のようにひたすらやっていました。そんな姿を見て基礎練習オタクの自分は感激してしまい、咄嗟に「すごいなぁ。俺でもそんなにできへんわ」と言ったそうです。

その一言を受けて、後輩はさらに基礎練習に打ち込むようになったそうです。
僕が卒部するころには、あの基礎練習は誰よりも上達していました。本当によく頑張ったなぁと思います。

何気ない一言が持つパワーを感じました。