この記事の概要✒️
新卒で大手企業に入社するか、ベンチャー企業に入社するか迷っている方がそこそこ多いようで、過去にも何度か相談に乗ったことがあります。
自分は新卒でITのベンチャー企業に就職しました。今年で社員としては3年目になりましたが、実態は大学3年生の時からほぼ社員さんと同じ仕事をしていたので、合計勤務年数は5年になります。
そんな自分がベンチャー企業勤務5年間の経験を振り返って「辛かったなぁ...」と思うことは7つありました。
(中には今も継続して辛いと感じるものもあります)
- しっかりと教えてもらえない
- 評価制度がない
- やることがしょっちゅう変わる
- 人の移り変わりが激しい
- 責任領域が広い(すぎる)
- 同期がいない
- 同世代との出会いがあまりない
今回は「7つの辛かったこと」について掘り下げていきます。
これから新卒でベンチャー企業への就職を考えている方の参考になればと思います。
辛かったこと7点😢
しっかりと教えてもらえない
ベンチャー企業というのは常に人不足です。
一人一人がタスクを山のように抱えていて自分の仕事のことで精一杯です。
そのため、人を育ている余裕のあるベンチャー企業はほとんどないと言っても過言ではありません。
またベンチャー企業が求める人材というのは一言で言えば「即戦力になれる人」です。
育てている余裕がない以上、合理的な判断です。僕はベンチャーでアルバイトを始めた時は何も出来ない状態だったので即戦力ではなかったですが、毎日、分からないことをひたらす調べて知識を身につけていきました。
結果として、ほったらかしにされても仕事が出来る状態になれたので、勤務を続けられています。
興味のあること、自分でひたすら取り組めるような内容ではなかったらきっと辞めていたと思います。
そういった意味ではIT
という業界は自分に合っていてラッキーでした。
過去に安定と定評のある公務員を目指していましたが、やめています。 www.okb-shelf.work
余談: 最近の傾向について
リモートワークが広く推進されている中で、ベンチャー企業の採用の仕方も変化しつつあります。
状態としては「高額な給料を提供できるかどうか」という軸で二極化されています。
- 提供できる会社 -> 即戦力を採用する
- 提供できない会社 -> 素質がある人を採用して育成する
自分がベンチャーで勤務を始めた時と状況が変わっているので、今は人材をしっかりと育成している企業もチラホラと見かけます。しかし一個人としては、自分でひたすら取り組んでいたという事実だけはお伝えしておきます。
リモートワークが主流になったことでエンジニア採用の相場が東京基準になっているというのは、お金をあまり出せない会社からすると、かなり痛手になるんじゃないな。
— okabe.yuya (@toboggannn) 2021年8月25日
評価制度がない
ベンチャーというのはとにかく忙しいので、色々なことが後回しになっていたりします。
その中でも大きいのが「評価制度」でした。評価制度に限っては現状でもしっかりと定まったものはありません。
(当初に比べれば改善されました...)
評価制度がないと何が起きるかというと、頑張ったのに評価されません。つまり給料が上がりません。
どれだけ大きな案件をこなしても、難易度の高い技術を使っても、評価されません。
この背景には「みんな忙しい中、頑張っているから評価は一律で」という思いがあるのかと僕は思っています。
大企業でも評価制度がしっかりしていない所はあると思うので、ベンチャーだけが悪いとは一概には言えません。
僕の実体験として、納品を間に合わせるために毎日夜中の3時まで1ヶ月ほど働いたことがありますが、評価制度がなく、評価されなかったのが自分としては辛かったです。
やることがしょっちゅう変わる
ベンチャーというのはお金がないので、色々な仕事をする必要があります。
自分の場合はITのベンチャーだったので受託案件を中心に取り組んでいました。
元々は機械学習
(人工知能
の開発)をやれる人という枠で採用されてジョインしました。確かに、最初の1年ほどは機械学習
の案件で開発をメインで行っていましたが、
メンバーや仕事が変わるにつれて開発メインからマネジメントメインに移籍しました。
その後は、機械学習
の案件からWEBのアプリケーションの開発案件に移籍し、現在となってはWEBアプリケーションの開発チームでエンジニアマネージャー
かつスクラムマスター
というポジションに落ち着きました。
こうして文字に書き出してみると自分でもビックリですが、やることがしょちゅう変わります。
元々は「機械学習
を極めてやるぞ!」という強い気持ちがあったので、やることが変わって開発に携われなくなった時はかなり落ち込みました。
今となっては「コードを書けるだけではダメだ」という気持ちがありますが、一つのことをひたすら深めていきたいという人には辛いでしょう。
人の移り変わりが激しい
今回取り上げている問題などが原因で人が結構、辞めていきます。そして新しい人がやってきます。
あとは案件毎にチームが再編成されるので、それに合わせて人の移動があったりします。その度に使用している技術内容やチームの風習が変わるので、慣れるまで時間がかかります。
自分の場合は機械学習の開発からWEBアプリケーションの開発に移籍となり、チームメンバーと事実上のお別れ(...といっても隣の席)という形になりました。
1年目に覚えたプログラミング言語の数は5つでした。業務で使える最低限のレベルまで覚えたというレベル感でカウントしています。
- PHP
- Python
- JavaScript(というか
React.js
) - Golang
- Ruby
責任領域が広い(すぎる)
ベンチャーは何度も言いますが、基本的に人不足なので1つの案件に多くの人員をアサインすることが難しいです。
そうすると幅広い範囲で仕事をしないといけません。
- 開発作業
- お客様の元へ直接伺い、スケジュールの確認や管理
- プロジェクトの要件定義
- 納品物は何かなどの認識合わせ
サーバー
の構築デプロイメント
の構築
などなど...あげればキリがないですが、本当に幅広く仕事をしていました。
特に大変だったのは納品後の保守(アプリケーションが問題なく動くように管理、監視し続けること)と機能改善です。アプリケーションというのは作って終わりということは絶対にありません。
バグが見つかったり、機能追加の依頼など、自分たちが作り終わったと思った後でも継続的に仕事が発生します。特にバグがある場合はアプリケーションが止まってしまい、復旧作業や原因追求のための調査など非常にしんどいです。
つまり要件定義から開発作業、それに保守に機能改善、全てをやらなければなりませんでした。
非常に責任範囲が広いです。自分のミス1つで全てが終わってしまうこともあります。
やれることが多くて広いというのは経験値を積むのにはピッタリだと思いますが、当時の自分には非常に重荷でした。
チームメンバー全員(6人)のコードレビューをしながら、タスク管理しながら、開発作業するのって普通に作業量多いんですかね?🤔
— okabe.yuya (@toboggannn) 2021年8月17日
同期がいない
つらい仕事も同期がいれば愚痴を言い合ったり、意見を言い合ったりすることができますし、お互いに切磋琢磨して日々、成長をすることができます。
しかしながらベンチャーには同期はいない、もしくはいても数人です。
育成ができない、余裕がない以上、多くの人を雇うことはできません。特に新卒の場合はそうです。
一から育成する必要があるので、何人も雇うことは難しいのです。
自分には同期がいなかったので地元の友達が「同期と飲みに行った」「同期と交流会があった」という話をうらやましく思いました。
同世代との出会いがあまりない
同期がいないという話に少し似ていますが、同世代との出会いが本当になかったです。
そもそもベンチャーに新卒が入るというのが世間からすればイレギュラーなので、同世代がほとんどいません。
まれに取引先やお客様として繋がりが出来ることがあるぐらいです。
恋愛に発展するような出会いも当然ありませんので、将来、結婚を考えている人でベンチャーを希望している人は要注意です。
ただ、優秀でやる気のある学生がインターンやアルバイトとして入ってきてくれることがあり、彼らと仲良くなれたのは凄く楽しかったです。
普通に生きていたら絶対に関わることができないような優秀な人ばかりだったので、非常に刺激を受けました。「自分はまだまだなんだなぁ...」と思い知らされ、やる気を掻き立てられたのを覚えています。
まとめ📚
いかがだったでしょうか。
自分がベンチャーで勤務して5年間で感じた辛かったことをまとめてみました。
思い返せばどれも辛かったことですが、良い経験をしたなぁと思っています。辛かったことに間違いはないですが、今回紹介した点は
- しっかりと教えてもらえない -> 自分で何とかする力が身に付く
- やることがしょっちゅう変わる -> やれることが増える
- 人の移り変わりが激しい -> 色んな人、チームで仕事が出来る
- 責任領域が広い(すぎる) -> やれることが増える
こんな感じで言い換えることもできます。
(評価制度に関してはどうしようもない...)
同期がいないなど犠牲にしたことも多いですが、自分はベンチャーを選択して良かったです。
新卒でベンチャーを検討している方の参考になればと思います。