先日、スタジオジブリ最新作の「君たちはどう生きるか」を見てきました。
映画の感想については賛否両論あるようですが、僕の感想としてはポニョやハウルのようなストーリー面での楽しさはないものの、さまざまな謎や問いが劇中でされており「君はどう思う?」と感じました。これが面白いという感覚なのかは分からないです。
本作のタイトルとなった吉野源三郎さんの「君たちはどう生きるか」が気になったので読んでみました。
元より劇中に著書が描写されるシーンがあるものの、映画のストーリーと書籍の内容は全く異なっていました。自分にはなぜタイトルを拝借したいのか全く分かりかねますが、宮崎駿が幼少期に「君たちはどう生きるか」を読んだことがあるそうです。
内容がとても素晴らしかったので、今回は書評を簡単に書いてみようと思います。
子供がいたら読んでほしい
本当にこの一言に尽きます。
大人が読んで学びを得るものではなく、子供の頃に「君たちはどう生きるか」を読んで、情緒を育んでほしいと感じました。
社会的な立場・金銭的にも恵まれていた主人公のコペルくんが、さまざまな経験を通じて精神的に成長していく姿が描かれています。コペル君と呼ばれるようになったのも、とある経験によるものです。
一番、印象に残っているのはコペルくんが粉ミルクが自分の元へやってくるまでに、それはそれは自分の知らない大勢の人がいる。知らないだけで多くの人と自分は繋がっているんだという発見をする場面です。本当にその通りですね。何一つ、自分の力だけで生み出せるものは現代にはそうありません。これは生産関係というそうです。
コペル君と物知りなおじさんの二人のやりとりによって物語は構成されています。著者の吉野源三郎さんは児童文学者だったそうで、非常に読みやすい書籍でした。
現代人も読んでほしい
モモの書評の際にも書きましたが、現代人は忙しさのあまり、効率とかスキル、技術ばかりが優先されています。
書籍「君たちはどう生きるか」を通じて得られる学びは、帯紙にあるように「人間とした大切なことは...」です。
僕もエンジニアとして日々、知識をアップデートしているつもりですが、どうしてもスキル、技術に寄ったものになってしまいます。 そうすると人間性だとか、情緒だとかを置き去りにしてしまうことがあります。エンジニアにそういった人が多いというのも一種の職業病のようなものなのでしょうか。
心を育むための時間をとることの重要さを久々に感じました。