【書評】「リーダーの作法」は当たり前のことを当たり前にやろうという本だった

リーダーの作法ってどんな本

2022年6月にオライリーから「リーダーの作法 ささいなことをていねいに」という書籍が発売されました。表紙はミツバチです。

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元々、海外では「The Art of Leadership small things, done well」という名前で発売されていた書籍の訳書です。Netscape->Apple->Slackでエンジニアのマネジメントを担当したロップさんが自身の経験から得た30のエッセンスをまとめた書籍です。

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いかにしてチームの中に信頼を生み出すかのかという点にフォーカスが当てられており、チームの心理的安全性を構築したい自分にとって「これは!」となった書籍だったので、またまた衝動買いをしました(またか...)。

www.okb-shelf.work

全体的な書評

先に書評の結論から書いてしまいます。
こちらの「リーダーの作法」を読了して第一に感じたのは「これといって新しい内容はない」という点です。

  • 〇〇という新しいマネジメント方法があってじゃな...
  • 〇〇というフレームワークを導入すればコミュニケーションがスムーズになるのじゃよ...

上記のような新しい話は一切ありません。まず、マネジメントでは当たり前とされていることの重要性が説かれています。

  • 信頼関係の構築には1on1を行うのが良い
  • 尊敬をもって相手に接するのが重要だ

この書籍のメインテーマは「継続して行うこと(例: 1on1)をどのように丁寧にやれば良いのか」という点です。
改めて、書籍のサブタイトルを見てみると「ささいなことをていねいに(small things, done well)」とあります。まさにこのサブタイトルがこの書籍を一文で上手く表現しています。

また、冒頭にはこんな一文があります。

私たち人類は今のところ、時間を節約するための「お手軽なハック」、つまり、何かをすぐに達成したり、理解したりするための賢い方法に夢中になりがちです。しかし、この本はその類のものではありません。この本に書かれているのは、繰り返せるプラクティスです。時間をかけて組み合わせることで、持続可能なリーダーシップが形作られ、それを自ら改善していけるようになるのです。

引用元: はじめに

(※プレビューはありませんでした)

特に印象に残っていること

最後に書籍の中で紹介されていたテクニックや考え方について、特に心に残っていることを紹介します。

  • 第1章: 誰からでも学ぶことがあると考える。相手を卑下せず「この人と話してもなぁ...」と考えない
  • 第4章: マイクロマネジメントは嫌い。相手にフィードバックを与えず行動を規制することは士気を奪う
  • 第4章: 場を掴むことの重要性。1on1なら「最近どう?」からはじめる。リアクションから何を語るのか決める
  • 第9, 11章: マネージャーは仕事を抱えがち。仕事はどんどん任せるようにする。任せることで信頼が生まれ、次のリーダーが育つ
  • 第12章: 採用するためには業務の50%の時間をかける。採用は甘くない(弊社の採用が恥ずかしくなった...)
  • 第14章: 素直に相手を褒めること。その褒め言葉を相手は一生覚えていてくれるかもしれない
  • 第15章: 厳しいことを言わないといけない時もある。相手から言ってもらうのも良い「何か伝えたいことはありますか」と1on1のたびに繰り返していれば、話してくれるようになるかもしれない
  • 第20章: 企業には歴戦の兵士と新兵がいる。歴戦の兵士だけで問題を解決してしまう、なぜそうなったのか新兵に伝えないことで士気と信頼は低下していく。信頼を構築するプロセスを忘れないで
  • 第21章: なぜそういった文化があるのか、ストーリーを共有すること。ビジョンを壁に貼り付けているだけでは不十分だ
  • 第24章: うわさ話を放っておくと痛い目をみることがある。うわさ元の特定をするのではなく、問題の解決がされるように動くことが重要
  • 第25章: 予測できないことはどうしようもない。なので、予測できないことがそもそも発生しないような動きが重要

ざーっと書き出してしまいましたが、何か参考になるものがあれば幸いです。自分は半エンジニアマネージャーのようなポジションにいるので、上記の内容が胸に響いたのですが、他の方の視点、ポジションではまた違った見え方になると思います。

最後に

「リーダーの作法」がどのような本か伝わったでしょうか。今、行っているマネジメントをより良くしたいという方にはおすすめ出来る書籍です。 気になった方はぜひ、一読してみてください。