なんだこの記事
自分は大学生時代に研究室で先生から資料の作り方の極意たるものを叩き込まれた
専門分野の知識よりも、資料の作り方を意識することに大半の時間を費やしたと思う
(卒論のプレゼン資料に枚数制限(上限8枚, 他研究室は平均20枚ぐらい)とフォントサイズ制限があったりなど)
当初はなぜ自分の資料が良くないものなのかということを客観的に判断することが出来なかったが
今になって先生が仰っていたことが「こういうことだったのか」と完全に理解し始めた
こういう経緯があってLT・プレゼン資料に関しては、パッと見れば、ある程度ツッコめる人間になった
そして最近、LT・プレゼンをやらせてもらったり登壇させて頂く機会が多く、1週間まるまる資料を作るなんてことがよくあった
(markdownとpowerpointだけを利用する1週間と成り果てる...トホホ...)
その中で元々、社内で用意されているプレゼン・LT資料を改めて意識して閲覧したのだが「何だこの資料は...」と感じる点がいくつもあった
自身の経験を元に良くない資料のパターンと資料作成の基本的な考え方についてまとめようと思い立ったわけなのです
良くない資料の典型例
以降、「コンテンツ」というのはあるページ内でのスライドの内容のことを指している(eg: 1ページ目の内容)
タイトル詐欺
ページのコンテンツとタイトルがまったく一致しないことが良くある
ページタイトルで「〇〇について」と記述しているのにコンテンツを見てみると
全く〇〇について触れておらず、単純に情報量過多となっていて収集がつかなくなっている事が多い
大半の原因はタイトルを先に決めてから、内容を作り込むため、当初の予定とコンテンツの内容に整合性がなくなってくるためだ
コンテンツを作り終えた時に「ページタイトルと内容がマッチしているか」と振り返る癖をつけないといけない
フォント問題
小さい。14px以下の文字なんて後ろの席からは見えないし、意識して読まない
補足で必要な情報があれば別途に資料を用意して会場で配布すれば良い
フォントは最低でも20px以上を意識した方が良い
あとは良く分からないフリーのフォントを使いたがる人が多いが、自己満足なのでやめたほうが良い
搭載されているデフォルトのフォントで十分
見た目やデザインを気にする前に、読んでもらえない資料になっていないかを確認するべきだ
美しさを気にするのは最後に余裕がある時だけにしたい
読むだけの資料
LT・プレゼンをする意味のない資料が非常に多い
「え、そこに全部書いてあるじゃん」と思われていることに気づいた方が良い
ただ読むだけの資料なら配布して終わりで良い。自分の好きな時間に好きなペースで読める
LT・プレゼンをすることでその場でしか触れられない付加価値を資料に付け足せないのなら
コンテンツに含めすぎている情報量を見直して、当日これは話そうかなとざっくりと計画を練る
不必要に情報を詰め込まないことは非常に重要で情報の取捨選択について考える癖がつく
導線が見えない
コンテンツに統一感がなく、パッと見た時にどの順番で話せばいいのか分からないような構図の資料が多い
これはすなわち、資料を見る側も同じ思いをするということになる
- 矢印を使って、流れを見える化しておく
- 説明したいと思っていることは下線や色文字にしておく
- 上から下に情報が流れるようにしておく
など思いつく対策法はいくらでもある
当日の自分が「どこからだっけ」と困らない様にしておく
カラフルすぎる
デザイナーが作成した資料に多い
中身の情報量がカッスカッスなのに対して、やたらと凝っていたりする
全体の文字色のベースがパステルカラーであったりと見た目は映えるが、LT・プレゼンは
スクリーンに映し出す場合が多いため、薄い文字色は見えなくなる
色文字を使う時にはそれぞれの色に役割を持たせると良い
例:
- 赤色 -> 説明すべき用語
- 青色 -> 自分の意見や考察
- 緑色 -> リスナーへの投げかけ
など、色に役割を持たせておくと自身の資料を作る際にも楽だし、早く作れる様になる
黄色は見づらいのでおすすめしない
意味のない画像やアニメーション
若い方や学生に多い。資料をインパクトあるものにしようとして一生懸命アニメーションやおもしろ画像が練りこまれている
画像は単純に情報量が多くなるだけなのでほどほどに。リスナー視点で本当に必要なのかを考えるべきだ
アニメーションを作り込みすぎると当日の自分が困る
全過程を記憶しているなら構わないが、当日リラックスしてLT・プレゼンをしたいので当日に自分が緊張状態かつ
頭真っ白になった状態で把握できないようなアニメーションは作るべきではない
質問時間の時にもスライドを戻るのにアニメーションが作り込まれていると面倒だ
良い資料を作るために心がけていること
ここまでよくある資料の典型例を見てみた
このような例にならないように普段、資料作成の際に留意している点をいくつか紹介する
上記の典型例がなぜダメなのかということがこの留意点から伝わればと思う
当日に記憶喪失になっても良いように
一番、大切にしていることはこれだ
「こいつバカか?」と思うだろうが、その通りだ
この言葉の意味することは、当日に緊張してガチガチになってしまう状態であっても
どの順にどの情報をどの層に説明するかということを資料をパッとLT・プレゼン時に見ただけで思い出せるよう・分かるようににしておくということにある
そうすることで極論、プレゼンの練習が不要になるし、頭に何も詰め込まなくて良い
この考え方をベースに資料を作るとすれば
- タイトル詐欺
- 導線が見えない
- カラフルすぎる
- 意味のない画像やアニメーション
といったことは自然としなくなるだろう
話を聞いてもらえないことが最悪
LT・プレゼンにおいて最も最悪なケースというのは何だろうか
もちろん「話を聞いてもらえない」ことだ
自己満足の資料を作って話しても聞いてもらえなければ意味がない
いかにユーザー視点で情報が明確な資料を用意するかということでユーザーの興味を惹きつけることが出来る
ただ、ジャパネットの高田さんのような話術のスペシャリストもいるので例外もある
ただ、僕の様な一般人が興味を持ってもらうために用意できるシンプルなことは「資料を明確化する」こと
そうすると
- フォント問題
- 読むだけの資料
- 導線が見えない
- カラフルすぎる
こういうことはするべきではないだろう
まとめと後語り
今回はあまりにも身近にある資料の内容がひどすぎたので自身の考え方をまとめてみた
最もベースにある考え方は2つで
- 当日、記憶喪失になっても良い様に作っておく
- 話を聞いてもらえないことが最悪と知る
ということ
そうすれば、自然とアンチパターンを避けていくことが出来る
ただ自分の作った資料には愛着が湧いてしまうので批判的に見ることは難しい
この点に関しては訓練が必要で、何度もリスナー視点で、何も知らない人の視点で資料を見返していると
「おや?」と思う様になってくるだろう
資料は作りゃあいいってもんじゃないということを留意したい
大学生の時に教えて頂いた事がこんなに役に立つとは思わなかった
改めてお礼をさせて頂きたいと思います