少し前にShopifyのCOO(最高執行責任者)のカズ(Kaz)さんが以下のツイートをされていました。
Meetings are a bug. Today, we shipped a fix to this bug at @Shopify.
— Kaz Nejatian (@CanadaKaz) 2023年1月3日
To start 2023, we're cancelling all Shopify meetings with more than two people. Let's give people back their maker time. Companies are for builders. Not managers.https://t.co/aw7BJxwmC6
翻訳して要約するとこんな感じ。
会議はバグ。今日、このバグの修正版をShopifyで出荷しました。2名以上のShopifyミーティングは全てキャンセルします。
なんという思い切った決定...
とはいえ、このツイートを見た時に自分の中で何か心当たりを感じるものがありました。
4人以上いると人は喋らない
リモートワークでのオンラインミーティングでのことです。
参加者が3人程度のミーティングの場合にはそれぞれの参加者がファシリテーターが話を降らなくても自主的に自分の意見や考えを述べてくれます。
しかしながら、これが4人、5人...となった途端に不思議なことに誰も喋らなくなるのです。理由の1つにオンラインのミーティングだと同時に話せるのは1人という制約が考えられます。お互いに気を遣って1つのマイクを譲り合っている状態なのではないでしょうか。
根拠はあるのか
何か4という数字に根拠やエビデンスがないかと調べていたところ、面白い書籍を発見しました。
インタービュー前の僕と2人きりの雑談では、あんなに普通に話していたあの人が、4人以上の集団になった瞬間、口数が目に見えて減ってしまう......。
それに、3人でのグループインタビューだと話せない人が出たり、気まずい空気が流れたりすることはあんまりないのに、4人以上の場だと、なぜか沈黙する時間が増える......。
こんなことが、何回も何回も続いたのです。
著者の岩本さんは京都大学で社会人博士として行動分析の研究をされているそうです。
まさに自分が感じていた4人になった途端に誰も喋らなくなることをテーマにした本でした。レビューを見ていると、同じような疑問を多くの方が感じていることにホッとしました。分析の結果、4人以上の会話で口数が減るのは脳の問題だそうで、誰にも起こり得る問題のようです。
自分の感じた4人という数字には根拠が全くないという訳ではなさそうでした。
別の問題
脳のキャパシティを超えてしまう問題とは別に、心理的安全性の欠如による問題が存在しています。上司と部下が同じミーティングに参加すると、部下は喋りにくくなります。
- 怒られないだろうか...
- 上司の意見を否定したくない...
- 自分が言ったところで...
このような心理的安全性が確保されていない状態では、意見や考えを求めても無駄です。まずは心理的安全性の確保からするべきです。また明確な上下関係がなくてもベテランエンジニアと新人エンジニアのように経験に大きく差がある場合も同様です。
ベテランエンジニアが発言した後で「〇〇さん(新人エンジニア)さんはどう思う?」と意見を求められても「特にないです。」という答えが返ってきます。しかし、後にヒアリングをしてみるとこんな答えが返ってきます。
△△さん(ベテランエンジニア)が言ったことだから間違いないだろうと思った。ちょっと気になることはあったけど、下手なことは言えないし、言ったところで否定されるだけなので...。
こちらも同様に心理的安全性の欠如による問題です。
心理的安全性については「恐れのない組織」という書籍に非常に参考になりました。過去に書評を書いているので、「心理的安全性の確保ってどうやるの?」と興味を持った方は、ぜひご覧ください。
結論
ということで、脳のキャパシティオーバーならしょうがない...ということで、オンラインでの共有や認識合わせ以外のミーティングは極力廃止していきたいです。やるとしても3人程度のチームごとに分割してチーム毎で考えをまとめた後に、チームの代表者を集めてミーティングをするというように工夫をしたいところです。
リモートでのMTGは参加メンバーに全員に発言したほしいなら4人が限界かもと感じ始めている。オフラインでも5人とかいたら、会話のグループが分かれるし、そういうものなのかな。#リモートワーク
— okabe.yuya (@toboggannn) 2022年12月20日
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